僕のお世話になった一人の事業家は「野村證券は国が肩を持った詐欺集団だよ」と言いました。
たぶん証券会社と付き合って痛い目に合った人は少なくないでしょう。
野村證券では電話を取ると、電話に連動して顧客情報がパソコン画面に映し出されます。
上司の顧客の電話を取った時。僕の画面には1億円以上の損失を抱えた顧客情報が映し出されました。
ちょっとカルチャーショックでしたよね。
証券会社を渡り歩いてきた広瀬さんはこう発言されていました。
営業マンが居ない金融機関を選んで! 勧誘の電話がかかってくるようなところはダメ。 https://t.co/8naBhn55U2
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年7月2日
そしてそれに田畑さんはこう返されています。
さんざん、自分が、株の営業マンやっておいてからのこの話www https://t.co/3eISi6zrtv
— 田端信太郎 @田端大学塾長である! (@tabbata) 2019年7月2日
これが事実なんですよね。
前置きが長くなりましたが、カルロス(@crls1031)です。
2011年新卒入社、わずか1年半で野村證券を去った者です。
ここでは「証券会社と付き合えば付き合うほど損を被ってしまうビジネスモデル」について解説します。
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もくじ
証券会社と付き合うと損するわけ
証券会社と付け合えば損をします。
これは紛れもない事実です。
経験者は星の数ほどいることでしょう。
M&Aや新規上場など大きな話では異なるかもしれません。
僕はそのフィールドは経験がないので、定かではありません。
でもリテールで見られるような小さな株の売買などでは必ずと言っていいほど損をします。
その理由を4つ書きます。
1. 手数料が高い
まずは手数料の高さです。
野村證券とネット証券最安値のDMM.com証券を比較してみます。
コチラが野村證券の国内株式の手数料です。
約定代金 | 基本料率 |
---|---|
20万円以下① | 2,808円 |
50万円以下② | 1.4040% |
70万円以下③ | 1.0800% + 1,620円 |
100万円以下④ | 0.9288% + 2,679円 |
300万円以下⑤ | 0.8640% + 3,327円 |
500万円以下⑥ | 0.8316% + 4,299円 |
1,000万円以下⑦ | 0.6912% + 11,319円 |
3,000万円以下⑧ | 0.5616% + 24,279円 |
5,000万円以下⑨ | 0.2592% + 114,999円 |
5,000万円超⑩ | 0.1080% + 190,599円 |
これ、非常にわかりづらいですよね。
顧客思いの表示方法とは思えません。
ひとまず、各料金のMAX・MINを計算して表にしました。
MAX | MIN | |||
---|---|---|---|---|
約定代金 | 手数料金 | 手数料率 | 手数料金 | 手数料率 |
① | 2,808 | 1.4040% | ||
② | 7,020 | 1.4040% | 2,808 | 1.4040% |
③ | 9,180 | 1.31% | 7,020 | 1.00% |
④ | 11,967 | 1.20% | 9,181 | 0.92% |
⑤ | 28,947 | 0.96% | 11,867 | 0.40% |
⑥ | 45,879 | 0.92% | 29,247 | 0.58% |
⑦ | 80,439 | 0.80% | 45,879 | 0.46% |
⑧ | 192,759 | 0.64% | 80,439 | 0.27% |
⑨ | 244,599 | 0.49% | 192,759 | 0.39% |
⑩ | 244,599 | 0.49% |
だいたい1.4%から0.5%くらいになることがわかりました。
一方で手数料最安値のDMM.com証券の手数料はこちらです。
手数料金 | 手数料率 | ||
---|---|---|---|
約定代金 | MAX | MIN | |
20万円以下 | 97 | 0.05% | |
50万円以下 | 180 | 0.04% | 0.09% |
70万円以下 | 340 | 0.05% | 0.07% |
100万円以下 | 340 | 0.03% | 0.05% |
300万円以下 | 600 | 0.02% | 0.06% |
500万円以下 | 800 | 0.02% | 0.03% |
1,000万円以下 | 800 | 0.01% | 0.02% |
3,000万円以下 | 800 | 0.003% | 0.01% |
5,000万円以下 | 800 | 0.002% | 0.003% |
5,000万円超 | 800 | 0.002% |
0.05%から0.002%!!!
非常に安い!!
DMM証券と野村證券の(約定金額におけるMAX金額の)手数料を横に並べて比較します。
DMM | 野村證券 | |||
---|---|---|---|---|
約定代金 | 手数料金 | 手数料率 | 手数料金 | 手数料率 |
① | 97 | 0.05% | 2,808 | 1.40% |
② | 180 | 0.04% | 7,020 | 1.40% |
③ | 340 | 0.05% | 9,180 | 1.31% |
④ | 340 | 0.03% | 11,967 | 1.20% |
⑤ | 600 | 0.02% | 28,947 | 0.96% |
⑥ | 800 | 0.02% | 45,879 | 0.92% |
⑦ | 800 | 0.01% | 80,439 | 0.80% |
⑧ | 800 | 0.003% | 192,759 | 0.64% |
⑨ | 800 | 0.002% | 244,599 | 0.49% |
1.40%に対して0.05%、0.49%に対して0.002%。
100分の1レベル。
昔は金融商品は証券会社を通さなければ購入できなかったことでしょう。
ただ現在はネットがあります。
証券会社はネットに対して優位性をどう発揮できるのでしょうか?
営業マンはネットの100倍の価値を提供できるんですかね??
僕は到底難しいことだと思います。
2. 売買によって手数料を稼ぐ
野村證券に手数料が発生するのは「売買が行われた時」です。
つまり、顧客が儲かったか儲かってないかは関係ないんです。
これが非常に問題でしょう。
例えば、顧客は株で損していたとします。
営業マンは会社に提示された目標を達成するために、収益を上げる必要があります。
営業マンは損している株を動かしたくなります。
そこであの手この手でセールストークをし、顧客の株を動かすように努めます。
これが実態でしょう。
その損している株を損切りしてまで動かしても、その後顧客は収益に結び付くとは決まっておりません。
これこそが冒頭に書いた「野村證券は国が肩を持った詐欺集団だよ」といった実態でしょう。
3. 販売額が決められている
野村證券は営業会社なので、毎月新しい商品などの販売額が提示されます。
この提示された販売額まで売り切るのが営業マンの仕事です。
つまり、顧客が求めているものを売るのではなく、あるものを顧客に“求めているもののように錯覚させて売る”技術が必要になります。
これはある意味では「営業力」と言い換えられることでしょう。
これこそが野村の営業力の正体でもあると思います。
4. 社員が高給である
これも決定的な要因でしょう。
野村證券の平均年収は1,342万円です。
人件費が高ければ商品が高くなります。
この事実は明白ですが、だからこそ途上国に工場とかを作ったんですよね。
彼らの高い給料を稼ぐために、顧客が損をしてまでも収益を稼がなければならないのです。
まとめ:証券会社と付き合うと損をする
冒頭に戻ります。
これが証券会社を渡り歩いてきた人の本音です。
営業マンが居ない金融機関を選んで! 勧誘の電話がかかってくるようなところはダメ。 https://t.co/8naBhn55U2
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年7月2日
もう既存の証券会社はネット証券に勝てないことでしょう。
時代が変わったんです。
残念ながら今、証券会社と付き合う人は情報に弱い人でしょう。
賢い選択をすることを願います。
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おまけ1:野村で語り継がれる営業の美談
野村證券時代によく聞いた営業マンのありがちな伝説のエピソードを書きます。
今回はトップセールスが後輩(新入社員)に語っている風に書いてみます。
僕は生え抜き○○支店時代、すごくお世話になったお客様がいました。
最初、まだお客さんになっていない頃、彼に振り向いてもらおうと毎日通いました。
雨の日も雪の日も通い、巻き紙も何通も送りました。
そしてお客さんは心を開いてくれ、取引が始まりました。
それからはお客さんに毎日怒られました。
損させては怒られ、損させては怒られの繰り返しでした。
お客さんに喜んでもらえるよう一生懸命勉強しましたが、損は増えるばかり。
課長とも支店長ともなんども謝りに行きました。
そんな日々が1年たった頃、僕の移動が決まりました。
結局お客さんは1億円損しました。
一生懸命頑張ったのですが、報われることはありませんでした。
最後に別れの挨拶の時、いつも怒るお客さんは言いました。
「さみしいね、お前がいなくなるのは。
たくさん損させられたけど、この1年間楽しかったよ。
ありがとう」
だから野村證券の営業はやめられないな、と思います。
野村證券ではこのような類の美談が語り継がれます。
余裕のあるお客様なら問題ないのでしょう。
でもこんなに頑張っても損をするのが事実なんですよね。
普通に数字だけを求めるのなら、付き合わない方が健全ですね。
ヒューマンドラマ、人間のつながりを感じたいのなら証券会社と付き合う価値はあるのでしょう!
おまけ2:年収チャンネル
年収チャンネルの「証券会社の闇」でとても詳しく解説されてました。
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